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(はぁ…なんだ道を尋ねようとしただけか)
その姿に安心していると声を掛けてきた女の子が、
突然自分に向けていた視線をマンションに向け、
「…お兄さん? 誰を捜してるの?」
_ガシ_
次の瞬間、
朧は、
目の前の女の子の腕を力強く握りしめていた。
「…離さないと通報されますよ? 蜩朧さん」
「!?」
急に、
名前を呼ばれ掴んでいた手を離してしまう。
「それにしても容赦ないですね?」
手を離して貰えた彼女は、
痛がる素振りを見せずこちらに文句を言ってきた。
だけど、
どんな理由であれ彼女の言っている事は正しい。
もしここに、
他の通行人が通り掛かったら、
朧は、
確実に少女乱暴の現行犯で逮捕されていた。
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