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8:俺の正体
「ですから、私達の身体にも時々2つの性別に別れていた名残りが生じる時があります。例えば、女性同士でも女の子を性的に好きになったり、女性でも粗暴行為を働く人が出てきたりするのは、このためです。最近だと、DNAの中に男性の時の記憶を持ったような幻想を見せる物まで有ることも分かってきました。自分を男性だと勘違いしたり、女の子の身体に入れ替わったと錯覚したり、過去の記憶を持ったまま転生したと誤解したりする事例が数多く報告されています。女性のDNAの中にも男性のDNAが過去の産物として交じっており、それが脳の中で混線やエラーを起こし、夢や幻覚、妄想として発生することがあるからです」
そんな……俺の方が妄想とでも言うのか!?
反論する隙も与えず、先生は続けた。
「そう言うことを言う女性には皆さんも次のように教えましょう。では、貴方は西暦2019年の現在、どんな名前の男性で、何処に住んでいて、どんな職業に就いているのか、証明が出来ますか? と。それは絶対に出来ません。何故なら、人間社会において男性は既に滅んだからです。男性の存在する役割が終わったのを示しています。そんなの嘘だと言うなら、貴女の身体が男性だと証明して下さい。皆さんも自分は男だと妄言を吐く女の子が居たら、このように注意しましょうね」
俺の身体は女性だった。
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