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「怒るのも無理はありませんよね。気づいたら、こんなところに閉じ込められているのですから」
おっさんは、眼鏡を中指でくいっとあげて、悩ましげな表情で、ふうっとため息をついた。
違う、俺の怒りは、そういうことじゃないんだ。
「どういうことなのか、説明しろ」
なぜ、お前みたいなおっさんが、セーラー服を着て、それほどまでに魅力的な脚を持ってるんだ。
「あなたは、ある組織に、ずっと後をつけられていたのですよ」
「そんなことは、どうでもいい。説明しろって言ってるんだ」
「おや、ご存知でしたか。じゃあ、後をつけられていた理由もわかりますね」
「俺の持っているデータのせいだろ。そんなのくれてやるから、説明しろ」
「おやおや、あなたの持っているデータは、世界を揺るがすほどの貴重なものですよ」
「そんなデータなんてクソだ。俺は、それよりも、ずっと探し続けていたものがあったんだ」
「世界を揺るがすほどのデータよりも、貴重なものですか」
「そうだよ、それをようやく見つけたというのに、何なんだよ、くっそ」
「もしかしたら、組織は、それさえも狙って……」
「だから、お前は、一体、何者なんだよ!?」
すると、おっさんは、くるりと一回転する。
スカートがひらりとめくれ、魅惑の太ももがちらりと覗く。
やめろ。
「申し遅れました。私、刑事です」
「そんな格好をした刑事がいるか!」
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