大滝詠一を聴きながら

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直美ちゃんがフラフラっとボクのところに遊びにきた。 「福島店長って堅いんですよ。バイトが暇そうにしてると、何かやらせるから気をつけたほうがいいですよ」 「そうなの?まあ、暇してるよりいいかなと思ったけど」 「私なんか、この前テーブルの裏側を拭かされましたよ。まったく意味わからない」 「小さい子なんか鼻くそつけそうだから危険だね」 「アハハ。だけど、先輩変わらないですね」 「そりゃあ、部活辞めてそんなに経ってないし」 「先輩って、女子から『妖精のような先輩』と言われてたんですよ」 「あっ、やばい」 二人で喋っているのに気づいた店長がこちらに歩いてくるのを見て、直美ちゃんはすぐにレジに戻った。 直美ちゃんの危険察知能力は高いようだ。 だけど、『妖精』とはなんだろう。 そもそも褒め言葉なのか?それとも違うのか? 気になってしかたない。
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