大滝詠一を聴きながら

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受付で次回の手続きをしていると、中学で同級生だった衣笠さんが声をかけてきた。 「岸くん」 「あ、衣笠さん。どう調子は」 「なかなか2段階の見極めもらえないの」 「ボクはやっと今日から4段階だけど散々だったよ」 教習所での会話は非常に盛り上がる。 ほとんどが慰めあいや暇つぶし、それに先生の情報。 ちなみに今日の先生の情報は前評判でも最悪だった。 そう言えば、さっきから衣笠さんの後ろに誰かいる。 「あっ、岸くんは百瀬さんを知ってるよね?」 ボクが知らなそうな顔をしていると 「ほら~中学のときに同じテニス部だった~」 「あ~知ってる。メガネしてないから気づかなかった」 そう、たしか百瀬は大きな丸いメガネをしていた。 話したことはないが、ドクタースランプのアラレちゃんに似ていると思っていた。 「キーン」とは言わない。
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