大滝詠一を聴きながら

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あの鬱々とした夏が終わり、だんだん涼しくなるにつれて体調が楽になってきた。 ボクは本来夏が好きだが、このときばかりはピリッとした寒さを体が欲していたように思う。 就職も決まったしアルバイトをしようと、近所のレストランの面接を受けた。 小学校のときの同級生が何人か働いているので誘われたのだ。 高速道路のサービスエリアには、裏から入れる従業員通用口がある。 通用口の前はとても乱雑だ。 捨てるか捨てないか分からない微妙な状態の椅子やテーブル。 換気扇からは厨房からの脂ぎった臭いが漂ってくる。 換気口から風が盛大に吹きだしている。 通用口を入ると中の通路も乱雑だ。 どこからともなく洗剤の臭いがするし、ダンボールが所狭しと積んである。 前からコックさんが歩いてきた。 白くて長い帽子をかぶっているからコックさんだろう。 「すいません、事務所はどこですか?」 「ああ、そこのドアね」 コックさんは足早に歩いていった。
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