大滝詠一を聴きながら

4/30
前へ
/30ページ
次へ
コンコン 「失礼します、今日からお世話になります岸です」 「やあ、こんにちは。君が岸くんかよろしくね。ボクは支配人の長谷川です」 けっこう若いイケメン、たぶん20代半ばだろう。それに気さくな感じ。 バイトの募集はウエイター(ウエイトレス)と厨房だったが、ボクはウエイターを希望していた。 さっそく、ウエイターをやるにあたり教育が始まった。 マニュアルを読み合わせ、大事なところは具体的に教えてもらう。 一通り読んだところで、支配人が制服を用意してくれた。 白のワイシャツに黒のズボン。黒のベストは着ても着なくてもいいらしい。 あっ、黒の蝶ネクタイがある。 聞いたら、これは絶対着用らしい。 蝶ネクタイ恥ずかしい。 七五三のとき以来だよ。 「なかなか似合うよ~岸くん」 ホントかな。 「じゃあ、発声練習から始めよう」 支配人の後をついて行く。 途中でウエイトレスとすれ違うと 「〇〇ちゃん、今日も可愛いね」 と言いながら女の子のお尻を軽く触れる。 「いやだぁ、支配人たら」 と、まんざらでもないウエイトレス。 とんでもないところに来ちゃったかな。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加