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コンコン
「失礼します、今日からお世話になります岸です」
「やあ、こんにちは。君が岸くんかよろしくね。ボクは支配人の長谷川です」
けっこう若いイケメン、たぶん20代半ばだろう。それに気さくな感じ。
バイトの募集はウエイター(ウエイトレス)と厨房だったが、ボクはウエイターを希望していた。
さっそく、ウエイターをやるにあたり教育が始まった。
マニュアルを読み合わせ、大事なところは具体的に教えてもらう。
一通り読んだところで、支配人が制服を用意してくれた。
白のワイシャツに黒のズボン。黒のベストは着ても着なくてもいいらしい。
あっ、黒の蝶ネクタイがある。
聞いたら、これは絶対着用らしい。
蝶ネクタイ恥ずかしい。
七五三のとき以来だよ。
「なかなか似合うよ~岸くん」
ホントかな。
「じゃあ、発声練習から始めよう」
支配人の後をついて行く。
途中でウエイトレスとすれ違うと
「〇〇ちゃん、今日も可愛いね」
と言いながら女の子のお尻を軽く触れる。
「いやだぁ、支配人たら」
と、まんざらでもないウエイトレス。
とんでもないところに来ちゃったかな。
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