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縛られた自由
俺は元はと言えば、逃げてきたこの町で静かに余生を過ごしていくつもりだった。死ぬつもりなど、鼻からなかった。
幸運なことに、自分を心配してくれる家族もいやしない。俺自身が切り捨てたようなものなのだから、仕方の無いことでもある。
そう、俺は自由に生きていきたかったのだ。家族という重荷に縛られず、会社という檻とは無縁な場所に来たはずだった。
しかし、ここでは順番が来た奴から命を絶たなければならない。せっかく来たこの町でも俺は、死ぬ時すら選べないのだ。
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