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「がんばってください。私は見守っています」
女神サーティのオーロラが揺らめく。
このオーロラそのものが、女神サーティの姿なのだろうか。
それとも、魂だけがゆらゆらとしているのか。
まあ、女神だからな。
「がんばってください」
「分かった。分かったよ」
こうなったら、決めてやる。
右手を高々とあげる。
深呼吸を繰り返す。
三度目で息を吐き出しながら、思いっきり行こう。
「――モンシロチョウスキルオン!」
モンモンモンモン!
モンシロチョウ!
モンシロチョウ!
ズキューン……。
俺は、銃弾に撃たれた感覚があった。
まさか、今ので亡くなったのか?
そうだ、俺の手足はどうなった。
「がぎががーん」
えーと、背中に羽だって?
白地の羽に上が三角に黒く、まるい紋様がある。
手足は、俺のが見えた。
はー、ほっとした。
「女神サーティ、俺の顔はどうなっているんだ?」
「変わりませんよ」
一番の心配が解かれたよ。
「よかったー、蝶人間になったかと思った」
「あながち間違ってはいませんよ。スキルがモンシロチョウコロムンさんです」
スキルねえ。
そう言えば、数学スキルが宿題に出ているんだったな。
あー、現実世界の世知辛さにやられるぜ。
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