1 暗黒世界制樹

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「がんばってください。私は見守っています」  女神サーティのオーロラが揺らめく。  このオーロラそのものが、女神サーティの姿なのだろうか。  それとも、魂だけがゆらゆらとしているのか。  まあ、女神だからな。 「がんばってください」 「分かった。分かったよ」  こうなったら、決めてやる。  右手を高々とあげる。  深呼吸を繰り返す。  三度目で息を吐き出しながら、思いっきり行こう。 「――モンシロチョウスキルオン!」  モンモンモンモン!  モンシロチョウ!  モンシロチョウ!  ズキューン……。  俺は、銃弾に撃たれた感覚があった。  まさか、今ので亡くなったのか?  そうだ、俺の手足はどうなった。 「がぎががーん」  えーと、背中に羽だって?  白地の羽に上が三角に黒く、まるい紋様がある。  手足は、俺のが見えた。  はー、ほっとした。 「女神サーティ、俺の顔はどうなっているんだ?」 「変わりませんよ」  一番の心配が解かれたよ。 「よかったー、蝶人間になったかと思った」 「あながち間違ってはいませんよ。スキルがモンシロチョウコロムンさんです」  スキルねえ。  そう言えば、数学スキルが宿題に出ているんだったな。  あー、現実世界の世知辛さにやられるぜ。     
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