1 暗黒世界制樹

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 かん高い声がつんざく。 「コーロームーン! 我が世界へ落ち給え! 秋永玲を(いざない)い給え!」  ばちっと俺の目の前が一瞬にして真っ暗になった。 「ふおおおおお! 穴が! 穴が……!」  そのまま落ち続け、高い所が苦手だからぞくぞくとした。  悲鳴も忘れて無言のまま下から風を受ける。 「うう……」  時間にしてどれ位だろうか。  暫くして、どこかに尻もちをついた後、気を失っていたらしい。  瞼を起こすと、目の前に眩しい道が見えた。  そっちへ行くしかないと思い、警戒して這いつくばったまま、進んだ。 「ここは、落ちたのだから、地下じゃなかったのか? 地下世界にこんな所があるとは思えないよ」  眩しい世界に出てみると、世の中にあるお金持ちの暮らすような街だった。 「こっちにもビル、あっちにもビルじゃないか」  よく考えてみよう。  コロムンと名乗る者が呼び寄せたんだ。  俺も這いつくばっていないで立ち上がってよく見よう。  その時、ぐらぐらと目眩がした。 「何だ? 何が起こった」  上下が逆さまになる感覚だ。  手をつきながらゆっくりと立とうとする。  ふらふらだが、何とかがんばっての二足歩行だ。     
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