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暗黒世界制樹に言いたいことが山ほどある。
「さて、時間だ。秋永玲は、神谷遥夏に会えるだろう。健闘を祈る」
◇◇◇
「全く、困ったものだな。この世界そのものを嘘と言って欲しいよ。夢でもいい」
俺はまだ本気になれずに、頭を抱えていた。
ポーン。
暗黒世界制樹からのミッションです。
秋永玲よ、『一番高いビルを飛び越えろ』の命令に従いなさい。
「はあ?」
よりによって、高いビルから落ちろだって?
苦手な所をつかれたな。
いや、一番高いビルから飛び降りろって、まだ生きていたいのですが。
ん?
ばさばさと音がするな。
な、な、何か来たー!
「こんにちは。ノーマルモンシロチョウのコロムンと申します」
声は愛らしい。
だ、だが、鱗粉も飛んで来るよ。
近い、近いぞ。
「うおお! でかいな。モンシロチョウさんが俺の背丈位あるよ。これが、コロムンさんですか!」
のけ反りながら会話をしないとならない近距離にモンシロチョウのコロムンさんがいる。
この地下世界の中は明るい。
それよりも更に瞳孔が痛くなるような光がオーロラのように満ち溢れて来た。
今まで見えていた、ビルもモンシロチョウのコロムンさんも見えない。
ただ、俺にだって分かる畏怖と言うものがあった。
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