1 暗黒世界制樹

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「秋永玲さん。私は、女神サーティです。さて、早速、暗黒世界制樹からミッションを受けましたね。訳あって私は女神の姿を現せないのですが、手助けしますので、私の言葉をヒントになさってミッションのクリアを目指してください」 「女神サーティ。あなたは、いい人なのですか? 俺の味方なのですか? ならば、神谷遥夏を探して連れて帰りたい。できるかい」  暗黒世界制樹はああ言ったが、この世界に女神がいるではないか。  宗教のない国かと思った。  うん?  女神がいたら、宗教があるのかな。  コスプレイヤーだったりして。  なんて、ばかなことを考えるのは休み休みにしよう。 「それならば、暗黒世界制樹を倒す道のりを行くといいでしょう」 「げー。じゃあ、嫌なミッションとやらは、避けて通れないのか」  俺は、舌を出してふざけてしまった。  姿は見えないし、聞こえなかったが、女神サーティのため息を聞いた気がした。 「可愛いモンシロチョウのコロムンさんが来てくれましたよ。『モンシロチョウスキルオン』と叫んでその姿になり、スキルを利用してビルへと羽ばたくがいいでしょう」 「なんだと! ツッコミどころ満載だぞ。その恥ずかしい掛け声。そして、モンシロチョウのコロムンさんと一体どうなるのか分からないじゃないか」  モンシロチョウのコロムンさんが、いささか哀しそうにしている。  ここは、モンシロチョウスキルオンをしないとならないのか。     
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