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食育とは
「ところで、ショクイクって何ですか?」
気を取り直したヨシュアが聞くと、マリアはカゴに残っていた赤い実をつまみあげた。
「ヨシュアはこれがどこに生えているかわかる?」
「さっき俺がモンスターに追っかけられていたところですよね?」
「そう。アンデスにね。この実は寒い時期にできる実で、栄養価がとても高いの。昔は風邪予防にこの実でジャムなんかを作っていたわ。こういう寒い頃にできる実で比較的低いところに付いているものはとても栄養価が高いのが特徴なのよ」
「そうなんですか?」
マリアが頷く。
「全部が全部ってわけじゃないけれど、そういう実が多いのは確かよ。そういう実を食べて、動物やモンスターたちは寒い冬を乗り越えるの。自然はうまくできてるのよね」
はい、とマリアがヨシュアに実を渡す。
「食べたことある?」
「いえ、森のものを食べたことは……ないですね」
「騙されたと思って食べてみて」
マリアがそのまま実をかじるのを見て、ヨシュアも恐る恐るその実を口に入れる。
「──甘い!」
少し酸味のある爽やかな甘みが口に広がる。小さな実なのに、中身はなかなか果肉感があり、シャリっとした歯ごたえを感じた。
「リンゴみたいですね」
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