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「マリアさん!」
ヨシュアが厳しい顔をする。眼帯がどんなにふざけていても、ヨシュアの鋭い眼光が透けて見えるようだ。
「マリアさんがいつも言ってるじゃないですか。モンスターの世界に人間が介入するのは間違いなんだって」
「そうよ。だけど、目の前で弱っている赤ん坊を見捨てるなんて一人の母親としてできないわ」
「それがこの子の寿命だったんです。それに、元気にさせて人間を襲いでもしたらどうするんですか? そうなった時に、俺はあなたをかばうことはできませんよ」
「それこそ、ここで死んでいるこの子を、母親のドラゴンが見つけたらこの森を怒りに任せて消滅させるでしょうね。もちろん、この森に近い私たちの村も尋常じゃない被害をうけるわ。探そうとしてめちゃくちゃにするかもしれないわね。だから、元気にして早く親の元に返してあげるのがいいはずよ」
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