野良猫のような少年

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酒瓶や精神薬。生活ゴミが散乱した部屋。 そのど真ん中で布団も敷かず鼾をかく大男と、寄り添うように寝る女。少年は、母親の横で我が物顔で寝る男の名を知らない。顔見知り程度の印象で、ろくな会話をした記憶がない。 それは、母親にも言えた事だが。 そもそも、少年には目の前に寝転がる女が、母親だと言う認識もない。 母親と言う存在が何かさえ、理解していないのだ。
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