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列車の中での話
とある列車の中で…。
男 「あ、おばあさんよかったらどうぞ。」
男、座席から立つ
おばあさん「結構ですー。」
男 「えっ…」
おばあさん「あらー私そんな老けて見えます~う!失礼ねえ~。」
男、泣き出す。
男 「この前え…小学生があ…おばあさんにい…席を譲ってるのを見てえ…いつもなら狸寝入りしちゃうけどお…勇気振り絞ってえ声かけたらあ…これかよお…。あんた今まで何人の場所ゆずリスト潰してきたんだあ?」
おばあさん「え、ちょ、なに、場所ゆずリストってなに怖い。」
男 「おばあさん…そりゃないよ…よく譲る側のマナーばっかいわれてるけどさ、これからは譲られる側のマナーも考えるべきではないでしょうか!こんな人達が未来ある若者達を潰すんです!そうでしょ皆さん!」
おばあさん「大演説…!いやちょっと皆笑っちゃってるから!ほらやめよ!」
男 「なに笑ってんだ…そもそもあんたら狸寝入りして譲ろうともしなかったじゃねえか!まずあんたらは同じ土俵にすら立ってねえんだよ!」
おばあさん「怒らせちゃいけないタイプの人間だった…!」
しばしの沈黙。
男 「どうぞ。」
おばあさん「ええええええ!この状況で座るの私!ええええええ!」
男 「おばあさん。俺気づいたんです。おばあさんと俺はもはや戦友なんじゃないかって。さあどうぞ。」
おばあさん「いやわけわかんないよ!」
アナウンス「乗客のー皆さんにーお知らせいたしますーこの先ー新小岩駅で起きたー人身事故によりーこの電車ーしばらく停車いたしますー。なおー復旧にはー1時間ほどをー予定しておりまーす。」
おばあさん「いやこの状況ですごせと!」
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