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お金を貯めなきゃいけないのはわかってる状況で父さんはバイクから離れられなかったのだ。
それはシゲキが倒れた後、ずっと元気で本当に次倒れたら危険だと言うのが嘘みたいに感じれたせいもあると思う。
僕はやりたいと父さんに言った。
これが小学5年の夏の話。
そしてシゲキはいつもミニサーキットの脇でオレと父さんがバイクで攻める姿を見ていた。
そんなシゲキがある日、僕は心臓が悪いけど、僕も兄さんと走りたい!
こうして、週末はミニサーキットへオレとシゲキで父さんの1boxにバイクを2台積んで向かう生活が続いていた。
もちろん、シゲの為それ以外の生活を切り詰め貯金を続け、オレも今は中1ながら知り合いのおじさんがやる大工現場で、日払いのバイトをさせてもらったりして、お金を稼いでいた。
「父さん。シゲいつも普通だけど本当に移植必要なのかな?」
「医者が嘘つくわけないだろ?」
「そうよ。シゲキが元気だからってその事は忘れちゃダメよ。みんなで早く貯めて、海外に移植手術に行くんだからね。」
そう言いながら母さんが自分の料理を運び座った。
やはりいつも元気でも心臓に爆弾を抱えてる事は忘れてはいけないそんな言い方だった。
「そんな事よりカズキ!あなた今日バレンタインでしょ?好きな娘とかいないの?」
「なんだよいきなり!」
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