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やまとみん
「聞ぃこえる?お名前?」
誰かの声が耳元で鳴っている。訛りのひどい片言の日本語だ。名前を聞いているらしい。
「たかは…し、エリ…」
答えてみた。
周りで誰かが何かを話している。言葉が分からない。
何語?英語でも無さそうだ…。
エリは目を開いた。自分のいる場所を確認してみる。
ベッド…というよりは、棺桶のようだ。底はカーブを描いて丸いが棺桶っぽい。
周りには医師のような…白衣を身にまとった男が二人いた。
いや、服装よりも気になることがある…。
肌の色が…グレーなのだ。髪もグレーで、瞳もグレーだ。
宇宙人?まさか…。
訛りのひどい男は続けて何か…多分日本語を話している。籠ったように、鼓膜を震わせる音…。とても人間の声だとも思えない。無機質なのだ。
「年?」
年齢を聞いているのか…。いくつだったっけ?
「26」
適当に答えてみる。
とにかく年なんてどうでもいい!この変な人たちがいる、ここはどこなんだろう。
「ここはどこ?」
エリの問いに男は笑った。
「民族科学研究所―!」
まるでようこそと言わんばかりに両手を広げている。やはり薄気味悪い…。
これは夢なんだ…。
「エリ、どうあかのっきがおう」
わからん…。
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