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――一生誰もたぶらかせないよう、醜い姿で生きながらえ、孤独にのたうち回れ。呪いの痣が全身に広がった時が地獄に落ちる時だ。
かくして美男子と謳われた美貌は、見るに堪えないおぞましい姿へ。たくさんの者から慕われていた日常は、隔絶された孤独な人生へと塗りかえられた。
かたきを見る目で憎々しげに吐き捨てられた主の言葉が、今も脳裏に焼きついている。
一度も彼に背こうだなんて考えたことはない。誠心誠意お仕えして生涯を終えるつもりだった。
それがどうしてこうなったのだろうと、今更考えても詮ないこと。彼らの生きた時代は終わり、レイだけがこうして今も呪いとともに取り残されている。
フッと自嘲的な笑みがこぼれた。
「月が明るいと感傷的になっていけない」
カーテンに手を伸ばした瞬間、寝室の扉をノックする音が響いた。
「レイ、入っていい……?」
熱を含んだ甘い声音にドキリとする。
歓迎すべきではないが、返事をしなければ、声の主が一晩中部屋の前できゅんきゅん鳴き続けることは目に見えている。以前にもそんなことがあった。
レイはため息を一つこぼし、仕方なくドアノブを回した。開いた扉の隙間から大きな体が飛び込んでくる。
「レイ! レイ!」
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