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だめだと言ったばかりなのに、レイの後ろにぴったりくっついて寝転がり、未練たらしく首筋に鼻先を埋めると、フンフン匂いを嗅ぎ始めた。
「ん……いい匂い。レイ、レイ……」
はふ、と吐息がこぼれ、熱が満ちる。
匂いを嗅ぐだけでは満足できず、首筋を甘噛みし、ぴちゃぴちゃと舌で舐め上げられた瞬間、レイはとっさに身じろいだ。
「こら、ばか、そんなことしたら……あ」
なんとか正気を取り戻させようとした直後、臀部に熱く滾ったものが押し当てられ、上ずったかすれ声が耳孔に注がれる。
「んん、んぅっ……レイ、交尾したい……。しよ……」
「待て……っ、そんなもの押しつけるな……っ」
「むりだよ……レイが大好きだから、レイの中に入りたい」
あまりにも必死な懇願に、レイの胸がズキンと痛んだ。
ジャックの体はもう立派な大人の男だ。自分なんかの側にいなければ、年頃の女性と恋をし、将来の約束もできる。
レイが側にいるせいで、思春期の性衝動を、醜いバケモノにすがることでしか解消できない、あわれな子供。
胸の奥が罪悪感で埋め尽くされる。こんなこと早く終わりにしなれば。
「レイ? 指先が冷たい。大丈夫? オレがあっためてあげるね」
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