空はいつも同じで……

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「そうですね。って、そうか。この時代にいるってことは、誰かの生まれ変わりなのか」  ふと思うと、今の今まで考えなかったことだ。輪廻転生。それに関わる出来事の最中にいるというのに。 「ま、どこまで本当なのかは解らないけどね。少なくとも、死ぬこととイコールで考えてしまうからね。次に進む、というイメージかな。残念ながら、俺も千年以上生きているが、誰かの生まれ変わりって解ったことなんてない」 「そ、そういうものなんですか?」  傍に閻魔大王の一部がいるのにと、侑平はそちらが意外だった。 「ああ。しかし俺や君は特殊で、実際に鬼も神も仏も存在することを知ってる。ということは、輪廻転生はあると考えるべきってことだよ。実態を知らないだけでね。多くの人が、あると考えて生きている限りは、あると考えるしかない」 「そう、ですね」  つまり未だ定義のない現象なのだ。それは礼門の定義する能力が永遠に及ばない、本当に不可思議な世界。  侑平はまた夜空を見上げた。今日も変わらず、満月は夜空に輝いている。 「しんみりしてしまったな。すまない。こんなことに巻き込んだうえに、俺は、君を救えないのに」 「ーー」  不意討ちに言われた謝罪に、どきりとして、否定の言葉が出なかった。
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