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次の日、友美が提案したあるお店にあっくんのことを聞きに行くことになった。
そのお店は、おしゃれな感じであっくんのアパートから電車で5駅もある場所。
正直、あっくんからそのお店の名前を聞いたことが無かった私は行く意味を感じなかった。
「ねぇ、友美。このお店は、見当違いだと思うよ。」
「大丈夫よ。」
と、不思議なくらいに自信を持っていたので何も言えなかった。
「すいません。この写真の男性来た事ありますか?」
友美は、近くにいた若い女性店員に聞きこみをした。
「あぁ、来たことありますよ。私がこの方に珈琲こぼしてしまったので覚えてます。それからよく話すようになりましたよ。」
彼がここに来ていた?
ちょっと彼の雰囲気に合わないお店なのに。
友美が続けて聞いた。
「彼は1人で来てましたか?」
「1人の時もありましたが、髪の長い女性と一緒の時もありましたよ。」
と店員らしい笑顔で笑った。
私の髪は短い。
彼女である、私の以外の人と来ていた…?
一体誰…?
その人が犯人なの?
お店の外に出ると友美が言った。
「明日、私の部屋でお互いの考えを話し合いましょう。」
私は、風に揺れる友美の長い髪が気になって仕方なかった。
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