一日目

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「いつも通りのようね。やっぱりちょっと早かったのかも」  トレーラーハウスの中は人形以外には、何も置かれていなく綺麗だった。  人形はゴスロリ服を着込んだ西洋人形で、トレーラーハウスには何も置かれていないにも関わらず、奥隅に座るようにして置かれていた。美人の人間には、往々にして人形のようなという形容を使うがこの人形は人間のように綺麗で、その青い瞳からは覇気を感じられる。  林檎はこちらを見つめる人形を見た時、全身から鳥肌が立った。 「あたしこれ見たの初めてだけど不気味な人形ね」 「隣にベンチがある公園あるし、そこでこれ飲み終わってからまた来ましょうか」 「そうしますか!」  蜜柑は手に持ったオレンジジュースを振りながらそう言った。しかし、その顔はどこかすっきりしており安心した顔のようにも見える。 「きゃあっ」  その大きな声で一瞬動悸が早くなった林檎であったが、蜜柑が引き戸の淵に足を引っ掛けて転んだようだった。 「ちょっとやめてよ! そうゆうの」 「ごめん」 「今日は帰ろっか」  驚いたのは桃も同じようで、心なしか語尾が荒い。  蜜柑の手に持っていたオレンジジュースは、床と戸にぶちまけるように零れていた。そして、それを放置したまま三人は帰宅した。
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