二日目

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 学校が終わると、少し桃の家で休んでから十七時半に公園へと足を運ぶ。  この時期は十七時半が朝霞の森の閉園時間であり、入口にある緑色のフェンスは閉まっていた。しかし、有刺鉄線が張られていたりフェンスが高すぎる訳ではなかった。 「やっぱりやめにしましょうよ」  そう言った蜜柑の声など聞こえてないのか、桃は二メートル程のフェンスをよじ登り侵入した。 「二人も早く来なよー」  曇り空のせいか、昨日よりも一層に街灯の光が暗く感じ、強く吹く風は広い敷地を覆うように囲む木々を騒めかせている。風がやめば、風流とは程遠い鈴虫の鳴き声が聞こえてくる。それも相まって朝霞の森は不気味さを増していた。 「ほんとにやるの? 暗いし危なくない?」  そう言いながらも蜜柑はフェンスをよじ登った。それを追うように林檎もフェンスに手を掛ける。フェンスに掛かった手は小刻みに震えていた。  二人が敷地内に侵入すると、桃は待ちきれないといった様子で先にトレーラーハウスへと駆けていく。 「二人も早くー」  そして、禁断の遊びが始まった。
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