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病める時も健やかなる時も、、、
あの誓いは何だったのだろうか?
「会社で働いてる奴が偉いなんて、時代遅れも甚だしいわよね。今じゃ両立してるイケメンサラリーマンが主流よ」
イケメンじゃない時点でうちはダメだけどね、と、佐々木さんがお腹から笑った。
「あんなに可愛いのに、どうして放っておけるのかな?って不思議ですよ」
「バカなのよ。子どもの成長も見ずに親になれるなんて、虫がいい話はないってこと、分かってないのよ」
その通りだ。
淳、その仕事は、風太の成長を見逃してまで価値があることなの?
「旦那も、風太くんに反抗期とかきたら分かるわよ」
その言葉で、聖子は昔を思い出す。
思えば、2歳のいやいや期に突入した時、淳の心が風太から明らかに離れた気がする。
「ととは嫌。かかがいい」子どもが言ったことに対し、子どもみたいに不貞腐れる旦那に、心底冷めたのを覚えている。
そんなこといちいち本気にしてたら、父親になんてなれないよ?
確かそんなこと口にしたような。
「いっそのこと不倫でもしてくんないかなぁって、あたしは思ってるわよ」
「え?!佐々木さん、不倫推奨派ですか?」
「今となってはね。そしたら、旦那と相手から慰謝料ふんだくって、養育費もらって、財産貰って、さよならできるんだもん。美味しい話でしょ?」
笑いながら相槌を打ったけど
それも悪くないと、聖子も静かに納得していた。
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