第1章
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かってに心臓の鼓動が速くなった。無意識に荷物を抱え走りだした。 「土山の忍び旅籠でのんびりするとおっしゃってましたー」 大黒屋の弾む声が追ってきた。くるりと振り向き右手をサーッとあげた。 手の平に、春の太陽が眩しく輝いていた。 完
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