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それから、シェスは毎日ミラのもとを訪れた。
三回分の食事と、時々お茶菓子。それから、たくさんのドレスに宝飾品。飼い犬に高価な玩具を放るように、惜しげもなく持ってくる。
けれど、自由は与えない。
ミラは部屋から一歩も出ることができず、シェス以外の人間に会うこともない。外の情報が与えられることもない。
シェスが飽きたら、ミラは死ぬだろう。殺されるのか、放置されるのか。
けれど、ミラは何も思わなかった。どうせなら早く殺してほしいとさえ思う。
行き止まりの自分。まるで生ける屍だ。
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