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生まれ育った長野から青森の旅路。
新幹線の指定席の隣にいるのは幼なじみの由香。
高校生に成り立ての私たちが女二人旅に来れたのは、私たちが何故か青森の十和田湖に一度行ってみたいと幼い頃から言っていたせいだ。
「いつか花菜と一緒に行く!」
由香は幼い頃からよくそう言っていた。
テレビで知ったのか、雑誌で知ったのか、はたまたネットで知ったのか、起点がどこであったかは私には思い出せない。
「私も由香と一緒に行く!」
由香と一緒のことをしたかったのか、嫌われたくなかったのか、はたまた大人びてみたかったのか、それすらも思い出せない。
ただ、私たちの夢はもうすぐ叶う。
私の両親と由香の両親は、十和田湖が紅葉に染まる頃にこの旅行を許してくれた。
私たち二人が中学の頃に勉強を頑張って県内でもトップレベルの高校に進学できたご褒美なのだそうだ。
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