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   8 賊の発砲。 巡視車に落雷が直撃する。 発車不能に。 「乗って」 四人乗りの助手席に飛び込むシャール。 車は擱座した巡視車をすり抜ける。 環状二号を時計回りに走り出す賊の車。 北大通りに向かうのか。 「銃の経験は」 「猟銃なら」 「じゃ、これを」 後部座席には男が座っていた。 北大通りが見えてくる。 賊車はブレーキも掛けず左旋回。 整備された道に跡を残しつつ。 後ろから警報音が近づいてくる。 バックミラーに映る巡視車。 「帰る?」 帰れるわけもない。 「後は任してもいいんだけど」
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