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7
火星。
恒星間企業連合体、通称カンパニーの拠点。
二つの月のほか人工の月が回る第二の地球。
”よいものが手に入ったそうで”
”銘品の壺です”
”さぞ高くついたのでしょう”
”星が一つ”
”……---------”
ノイズが入って消失する立体映像。
「旧態依然だな」
「代わりを用意します」
演算器に掛けるほどもない仮想起業家達の終点だった。
窓を開けて澄んだ空気を吸いたくなる。
緑なす大地になったとはいえ。
依然何が棲むか判らない大気を吸い込む気になれない。
地球へ帰るのは二週間後。
しばらく窮屈な日々が続く。
演算端末は入力待ち。
紙の資料を開く。
代わりの仮想起業家が入力されるまで。
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