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「毎日のように病院に来ているという事と、子供から目を離している時間が長いことからそう判断しました。よろしいでしょうか」
よくねえよ。
「ごめん。わかんないんだけど」
「外来診察の待ち時間が長いことは友利さんもご存知かと思います」
「まあな。うちみたいな大病院は待ち時間をいかに短くするかが課題でもあるからな。そもそも、これを解消するためってのもあって、選定療養費を設けてたりするわけだし」
あまりにも混雑してしまうと、重症患者を受け入れられなかったり、本来助けられたはずの命を助けることができなくなってしまう。
一人でも多くの人の痛みと苦しみを軽減させる為の措置が地域連携ではあるのだが、それもなかなかうまく進んでいないのが現状だ。
何しろ、うちは公立の病院だから、選定療養費が最低ラインだし、それを払えば受診ができるので、紹介状なしの飛び込みが後を絶たない。
ゆーと君のお母さんは毎日のように通院しているなら、予約をしているはずだが、その予約も、飛込患者のせいで遅れが生じてしまう。
30分刻みでシステムが稼働するため、その枠内でしか、予約患者は優先されないためだ。
飛込患者が10時から10時半の間に受付を済ませたとする。10時に予約していた患者がその中では優先され最初に診察を受けることができるが、次に飛込患者が診察を受けることになる。
予定外の診察のために10時半を過ぎてしまう。この連鎖が最終的には3時間ほどの待ち時間に繋がることもある。
「んで。その待ち時間がどうしたって?」
「子供には厳しい時間です」
「おう、はっきり言って、キツイと思うぞ。うちは待ち時間が長いから、子供には相当辛いと思う」
「その通りです。しかし、そのために屋上の植物園やカフェなどがあります」
その桐生さんの言葉にかぶさるように、放送が流れた。
――患者様のお呼び出しを致します……
受付に来るようにとの呼び出しだ。
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