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翌日、私たちは出勤するなり追い返された。
どうやら、怪我人は安静にするようにとのお達しらしい。
私も桐生さんも、それは分かっていたのだが、のんびりしていることはできなかった。会議の結果がどうなったのかだけでも聞きたい。
しかしそれは許されなかった。
「安静にさせて欲しい、くれぐれも無理しないよう厳重に注意してくれと頼み込まれた」
外来師長から直々のお達しだそうだ。
カフェで過ごすにしても長居しすぎは申し訳ない。
「なあ、桐生さん」
「墓参り、行きませんか」
発言がかぶった。
私の口角が自然と上がる。
「それな。行こうぜ」
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