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「あ、そういえばさ、桐生さん。俺、思ったんだけど。さっき墓で話してた三つの謎の話」
桐生さんは私が否定しても納得しなそうだから、別の話に持っていくことにした。
「あれさ、もう一回、いい?」
「一つ目、カエルの折り紙は何のためにあったのか。二つ目、何故結城事務局長が現れたのか。三つめ、どうして『それ』が、わたしと友利さんで、別の姿に見えているか、ということですね」
「そうそう、それ。一つ目のカエルの謎は解決したよな」
「犬飼さんへのお見舞い、ですね」
日常を守るわんわんヒーローの絵が描かれた、カエルの折り紙には、早く家に帰れるようにと言う優しい願いが込められている。
「んで、二つ目な。結城事務局長が現れた理由。これも分かったと思うんだよな」
「亀裂のことを知らせるためだったと?」
その通りだ。
私達は亀裂が大きくなり表面の塗装が割れてめくれて初めて気づいた。
幽霊の結城事務局長はそこまで被害が進行する前から気づいていたからこそ、現れたのかもしれない。
これが二つ目の謎の回答なのではないだろうか。
「今思えば、北階段危ないから、守ってくれてたんだろうなって思うんだよな」
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