425人が本棚に入れています
本棚に追加
/230ページ
桐生さんが言葉を止めたことで気づいた。
「一回だけ結城事務局長の姿を見たよ。ひょうきんなおっさんっていう印象だった。なに、まさかそう言うこと? 俺だと全然偉い人って認識持ってくれないからとか」
「違います。怖かったのではないでしょうか」
「こわい? 幽霊が俺を怖がんの? なんで」
ひょっとして、自分でも知らなかったが、実は陰陽師だったとか霊能者だったとか、そう言うオチがあるのだろうか。
「友利さんには、感情を見透かされてしまうからです」
「は?」
桐生さんがわずかに眉を寄せた。
「何で桐生さんが困ってんの?」
「……そう言うところですよ、友利さん」
「は?」
首をかしげると、桐生さんの眉間のシワがさらに深くなった。
最初のコメントを投稿しよう!