事務局長の穏やかな日常

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 桐生さんが言葉を止めたことで気づいた。 「一回だけ結城事務局長の姿を見たよ。ひょうきんなおっさんっていう印象だった。なに、まさかそう言うこと? 俺だと全然偉い人って認識持ってくれないからとか」 「違います。怖かったのではないでしょうか」 「こわい? 幽霊が俺を怖がんの? なんで」  ひょっとして、自分でも知らなかったが、実は陰陽師だったとか霊能者だったとか、そう言うオチがあるのだろうか。 「友利さんには、感情を見透かされてしまうからです」 「は?」  桐生さんがわずかに眉を寄せた。 「何で桐生さんが困ってんの?」 「……そう言うところですよ、友利さん」 「は?」  首をかしげると、桐生さんの眉間のシワがさらに深くなった。
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