地上へ

　地下都市ブロジア。

　都市を囲むドーム状の壁面では、ブロジアの民は農耕と漁業を営んでいる。壁面の土をチューブ型の機械で掘り、数人がかりで力いっぱい引き上げる。

土壌に実ったジャガイモやタマネギの一つから、ドワーフの農夫が優しくもぎ取り、一口をかじる。タマネギのシャキシャキとした、みずみずしい食感と甘みが口の中いっぱいにじわりと広がる。

　「良いタマネギが収穫出来たぞ！」

　下で野菜かごを構えるドワーフに、もぎ取った野菜たちをゴロゴロと落としながら渡す「おっとっと！」と慌てながらも落下する野菜をかごで受け止めるが、あっという間にこぼれそうな量になる。

その横では、ドワーフの漁師たちが、土を引っこ抜いたところからサラサラと流れてくる川の水をブリキのバケツで受け、それに混じってやってくる魚を手づかみで捕まえたりしている。