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病死したカストロ・フランクが遺した借金千二百万金を返済するため、アンナは十歳で鉱山で働くことを余儀なくされた。
鉱山は空気が薄く、酸欠になりやすいことに加え、数十キロもする土砂や岩石の運搬を延々と続ける重労働。周辺の土は崩れ易く、崩壊すれば土くれをどかして採掘をやり直さなければならないが、宝石が採れるのはほんのわずかな量だけで、なかなか売れない。
金の足しにアンナは、カタツムリの殻を加工した殻細工を作って売るが、売り上げが伸びず、アドルフ・ブロジアから毎日される督促や家財の差し押さえに耐えるしかなかった。
そんなアンリが唯一楽しみにしているのが読書である。
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