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「ニャア~~~~!」
「コ、コラッ! 病院の中じゃ大人しくしてなきゃ」
――――ん? ……なん、だ? これは、声?
…………もしかして、俺まだ生きて――――!!?
「イィッッッテェェェ~~~~~!!!!」
身体を動かそうとしたら、記憶に新しい痛みがカムバックしてきた。
戻ってくるのは意識だけで十分だっつーーの。
「あっ! おじさん、目が覚めた? 良かったぁ~~」
「おじっ!? ……ま、まぁいいか。それより、ここは一体……?」
「病院だよ。おじさんがこの子を命掛けで守ってくれて……ホントにホントに、ありがとう!」
「そう、か。君がその猫の新しい飼い主――――って?」
妙に視界が狭い。あれ? ……右目が、見えん。
「あのね、お医者さんが言ってたの。右目は傷が深いからって、だから、もう……。ごめんなさい。謝っても、許してもらえないかもしれないけど……」
「…………いや、いいよ、気にするな。ホラッ、あいつとお揃いだ。カッコイイだろ?」
「――――うんっ!」
俺は、生きている。
死に際を経験して、それでも自分で選んで前に踏み出したんだ。
「ハハハッ! ……よーーーーっし!!」
――さて、これからどうしよう。
とりあえず、この怪我が治ったら会社を辞めて世界一周でもするか。
折角の一度きりの人生だしな。
それに、今なら何にでも挑戦できる気がする!!
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