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えっ!?? 何アイツ死にたいの!??
思わず、己の不遇に絶望して自殺でも図っているのかと思ったが、そうだ、アイツ右目が見えないんだった。きっと近づいてくる自動車に気付いてないんだ。
マジかよ勘弁しろよ独眼竜、このままじゃ片目だけじゃ済まんぞ!?
どうする!? 助ける? 誰が? 俺が!?
できるのか、俺なんかが。
何の取柄もない平凡な一般市民が。
いくらでも替えの利くただの社畜が。
何も成し遂げる事もなく、死んだような人生を送るんじゃなかったのか?
…………違う、嫌だ!!
「――――そんなの、望んでるわけがないだろっっ!!」
………………あれっ?
どのタイミングで飛び出していたんだろう。
気付いたら、手を伸ばしてガッシリと掴んだ猫を懐に抱いていた。
そしてその直後、凄まじい衝撃と共に身体が大きく宙を舞う。
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