ハマの羽衣伝説

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ハマの羽衣伝説

青色と赤色、それぞれに身をまとった人並みが関内駅からスタジアムに向かう交差点に溢れている。 一塁側に向かう人並みの中に高月(たかつき)信政(のぶまさ)一伽(いちか)の姿もあった。信政(のぶまさ)は青色のメガホンを手に、一伽(いちか)は控えめに青色のスカーフを身につけている。 「このワクワク感がたまらないんだよな」 信政(のぶまさ)はゲートをくぐりスタジアムが一望できる通路を足早に歩きながら一伽(いちか)に話す。 「別世界に来たみたいだ」 「きれいね」 フィールドを囲む観客席には青と赤のファンが集まり始めている。 「ここかな」 信政(のぶまさ)はチケットのシート番号を確認し、内野席に腰を掛けた。すでに隣に座っていた老人に会釈をして一伽(いちか)も腰を掛ける。 2018年6月29日金曜日。 プレミアムフライデーを利用し、会社から一旦自宅に戻りシャワーを浴びて信政(のぶまさ)一伽(いちか)はゆっくりとスタジアムにやって来たのだった。
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