第四章◆覚悟と誓い

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「くだらん猫かぶりはやめておけ、貴殿ががさつで粗野な人間だということはとっくに見抜いている」 「…ああそうかよ、ならこっちもがさつな素でいかしてもらうぜ。堅物粘着野郎」 ハイドは舌打ちをして腕を組むとスールカーンを睨みつけた。 スールカーンは表情をぴくりとも動かさずにハイドを見下している。 「貴様のような男は弟の相手に相応しくない」 「貴様呼ばわりか。仲良くやろうって言ってんじゃねえか、なあスールカーンお義兄様よ」 「気色の悪い呼び方をするな」 「じゃあどう呼ぶ?デカブツか?」 「そ、そこまでにしよう、二人共」 完全に蚊帳の外だったアリージャが珍しく慌てた様子で二人の間に割って入った。 何とか怒りを鎮めようと宥めるが、女の好む甘さのある彼の顔立ちは完全に引きつってしまっている。 「なんだってそう仲が悪いんだい?歳が近いせいかな?」 「いえ、この男…初めて見た時より好かなかったのです。俺の最も嫌いな人間だ」 「それは奇遇」 アリージャの腕を押しのけハイドはぐっとスールカーンに顔を近づけた。 「俺もだ」 「…ほう」 寒い。 周囲の気温が5度以上は下がったような気がする。 外の日は高くむしろ暑いと感じなければおかしい筈なのに。 身震いをしたアリージャは流石にこの流れはまずいと感じ取った。     
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