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溢れる涙は赤い夕日に反射をする。彼の後ろに見える砂漠の中でその雫が輝いて見えた。
緑色の瞳が涙に溶けるようにこぼれ落ちて、綺麗だと純粋にそう思った。
「綺麗だ。…砂漠に緑の雨が降るってとこか」
ぽつりと独り言のように呟いた言葉に、ムスタファは目を見開いた。
「…もう一度言って下さい」
「もう金輪際言わん。恥ずかしい」
「もう一度」
「駄目」
気恥ずかしくなったハイドは強請るムスタファを黙らせる為、深く口付けをした。
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