終章◆二人の未来

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にやにやと笑うハイドに何かを言おうとするが、それよりも先にオリヴァーの腕をジャーミアが掴んだ。 「お覚悟を決めなさって?」 ひくっと頬を引き攣らせたオリヴァーが後ずさる。 温和そうなジャーミアの笑顔はたまに妙に恐ろしい。 「ちょ、ちょっと待て」 「待ちません。ファティマちゃん」 「あ、はい」 「待て、わかった。わかったから二人がかりはやめるんだ」 女二人に寄り付かれ、諦めてされるがままになるオリヴァーにハイドとムスタファは顔を見合わせ笑う。 ムスタファは絨毯の上に畳まれた天鵞絨の布地を見て、ハイドに囁いた。 「婚礼衣装の貴方を見るのが今から楽しみです」 「飾り立てるのは苦手だけどな…その日はお前の為に一番綺麗になってやるよ」 二人はそっと手を繋ぐ。 そして誰にも気づかれないように口付けた。     
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