第一章◆砂漠の帝国
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どうかお願いだ、と振り絞るような声の後。 ハイドは乾いた喉を震わせて言った。 「…断る」 ムスタファが何かを言う前に、ハイドは彼の手を払い紅玉の宮を駆け抜けた。 背中に縋り付くハイドランジア!という悲痛な声が何故だか胸を締め付けた。
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