第3話

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私がメールを見たのは送られてすぐ、仕事場の休憩室で友人の今村沙耶(いまむらさや)といる時だったのだ。 「あやねどした??」 「えっと…」 「また蓮??」 沙耶は私の中学からの友達で、蓮くんの幼馴染でもある。 「蓮くん珍しく会いたいって」 「あはは、蓮も頑張るね~!あやねに言い続けて2年だっけ??長いわー!!いい加減付き合ってやれば??」 「でも18歳だし…」 「そんなの気にしなきゃいいのに!それに、あいつ背も伸びたしもう完全に男だよ!!」 「男って…元々男の子でしょ。それに蓮くん好きとは言ってくれるけど、付き合おうとかは言ってこないんだよね。多分、歳上に憧れる年齢なんだよ」 「なんか蓮が不備だわっ!!」 そう言った沙耶はお昼のお弁当を勢いよく食べ出す。 「沙耶は、蓮くん大好きだよね」 「恋愛感情は全く無いけど、あいつの中学時代のかわゆい顔はあたしの人生の中でベッストワンのかわゆい顔だったわっ!!」 沙耶が言うように、初めて会った時の蓮くんは本当に女の子のように可愛くて、同年代の女の子に囲まれてるイメージだった。 そんな子が私なんかに好意的なのか不思議なくらいだ。 「沙耶、私蓮くんに言うよ!」 「付き合うって??」 「違うよ!私を諦めてって!!」 とんだ上からモテ女的発言を言ってしまったが、その方がお互いの為なんだ!! 「ふーん。まっ、頑張れー。蓮可愛そうに」 悪気無く棒読みに言う沙耶に、心えぐられる思いだったけど…私は蓮くんにメールを返した。
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