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「...何を...しているんだ。」 たった今、目の前で起こったできごとが、信じられなかった。 「悪霊を、封印したのよ。この機械は、写したものを中に封じ込めるの。もちろん、プリントアウトすることも可能。」 何がもちろんなのかはよくわからないが、目の前の瞳を直視させない何かをつけた女は、表情を変えずに、そう言った。 いつのまにか拳の形をつくった手が、震えた気がした。許せない。この、女は、俺の、相棒を... 俺と一緒に、俺たちを陥れたあいつらに取り憑いてた、相棒を、消しやがった。いつもなら、こんな女、俺の力でどうにでもできる。だけど、瞳をのぞけなければ、俺はこの女に何もできない。 昔は確かに感じたはずの歯を、俺は、ぎりっと噛み締めた、ような気がする。 「さて。」 女が、身体の向きを変えた。俺を真正面に捉えて、自らの顔の前に、機械を構える。 「次は、あなたの番よ。」
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