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「違うのか」
「ここに撮りに来たのは、私が撮りたかったからだよ。」
「綺麗だから?」
「ううん、それもだけど。思い出だから……初恋の人との、思い出の場所なの。だから」
「ふーん」
素っ気なく返してしまったからか、彼女は少し寂しそうに笑った。
「見れなくなっちゃうなぁ……」
「別にビルが建つわけでもないんだろ?墓ひとつくらい良いじゃないか」
「そうかなぁ」
「そうだろ」
「やっぱり思い出せない?翔くん」
彼女から離していた視線を、再び元に戻す。
「えっ」
「言ってるじゃん。私たちは初対面じゃないんだよ」
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