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自分も追いかけようとするが、何故だか足が思うように動かない。走っているつもりなのに、全く追いつかないのだ。
不安感が一層増し、心臓の動悸が激しく打ち付ける。この世の終わり…とでも表現してもおかしくはない。このままでは、全てを失ってしまうかもしれないという喪失感が、覆い被さるように襲ってきた。
それでも必死に少年を呼び戻そうとする。
一生懸命に。
少年の名を呼んで…
『まって!ーーーーくん!!』
しかし、その声は届くこともなく、少年は人混みに姿を消した。
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