小さな奇跡

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「あれ…?」  朝起きて目に飛び込んできた部屋の様子に、僕は違和感を覚えた。  といっても別に見知らぬ部屋に寝ていたわけではない。此処はちゃんと学生寮の僕の部屋。正確には僕と颯真(そうま)の部屋なのは間違いなかったんだけど。  でも、何だろう。  とてもとても違和感を感じる。これはいったいどういう事なんだろう。  不思議に思いながら身体をおこした僕は、次の瞬間、いきなりの頭痛に襲われた。    な…何だよこれは。 「い、痛い」  とりあえず頭が痛い。  いや、頭だけじゃない。身体の節々が痛い。  しかもとりあえずどころじゃない。かなり痛い。めちゃくちゃ痛い。  関節痛。筋肉痛。そんな感じの痛みとは微妙に違う気がする。  それに、昨日も一昨日も筋肉痛になるような運動はしてないはず。  でも、だったら、これはなんだろう。  風邪だろうか。ここのところ急に寒くなってきたから体調を崩した、とか。  といっても、熱はなさそうだ。  そしてただただ、ひたすらに全身が痛い。
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