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えっと椅子はどこだっけ。ああ、あった。
僕は、焦る心を抑えて棚のそばまで椅子を引き寄せた。
普段片手で軽く運べるはずの椅子が、やけに重く感じる。ってことは僕の力も弱くなってるのだろうか。
心なしか手まで小さくなってて、これじゃまるで幼稚園児の手だ。
「……幼稚園児?」
嫌な予感がした。
とてつもなく。
いやいやいや。まさかまさか。
そんなことが現実に起こるわけはない。
あーもう。考えてみても始まらない。
とにかく鏡だ。
鏡に自分の顔を映してみれば何がどうなってるのか少しは……。
ドンガラガッシャーン。
椅子の上に立ち、思いっきり手を伸ばして鏡を取ろうとした拍子に僕はバランスを崩し、盛大に椅子から転げ落ちてしまった。
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