第1章 出会い

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第1章 出会い

ジリジリジリ…と目覚ましが鳴り、飛び起きた。 いや正確に言うと、けたたましく鳴り続けていた目覚ましの音にようやく気付き、やっと飛び起きた。 時計の針を見ると、午前8時前を示している。 マズイ…!!完全に遅刻だ!!! 電車通勤をしている私にとって、学校に間に合うよう向かうには絶望的な時間だった。 慌ててベッドから飛び降り、ぐちゃぐちゃになった布団や散乱しているヌイグルミに目を止めることもなく 夏服から冬服に代わった その真新しい制服に身を包み、 ドタドタドタと豪快に家の階段を降りていった。 「もぅーお母さんっ、何で起こしてくれないのっ」私が八つ当たり気味にお母さんに話しかけると、 「何言ってるのっ、お母さん何回も起こしましたよ」とお弁当を詰めながら言われてしまった。 「ヴ…」 そうなのだ、本当ならいつも起きる時間にあろう事か二度寝してしまった私。 「あーもう、ご飯食べてる暇ないっ。 ごめん学校行ってくる」 そう言ってお母さんが用意してくれたお弁当片手にパンだけ口にくわえて出て行った。 おかしいなぁ、花の女子高生なのに… これじゃ何かの漫画みたいだよ… 何とか全速力でダッシュして、いつもより1本遅い電車の時間に間に合うと     
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